データ分析や統計学において、データのばらつきを把握するために四分位数が重要な指標となります。四分位数は、データを昇順に並べたときに、データを四等分する値です。四分位数を求めることによって、データの分布がどのように偏っているのか、外れ値があるのかを知ることができます。本記事では、四分位数の求め方について詳しく解説します。
まず、四分位数の求め方を理解するためには、まずはデータの昇順に並べ替えることが必要です。次に、データの個数をnとした場合、以下のように四分位数の位置を求めることができます。
第一四分位数(Q1)の求め方
第一四分位数は、データを昇順に並べたときに、データの四分の一の位置にある値です。具体的には、(n+1)/4番目の値を第一四分位数とします。ただし、(n+1)/4が整数でない場合は、(n+1)/4番目の値と(n+1)/4+1番目の値の平均を第一四分位数とします。
第二四分位数(Q2)の求め方
第二四分位数は、データを昇順に並べたときに、データの中央に位置する値です。具体的には、(n+1)/2番目の値を第二四分位数とします。ただし、(n+1)/2が整数でない場合は、(n+1)/2番目の値と(n+1)/2+1番目の値の平均を第二四分位数とします。第二四分位数は、中央値とも呼ばれます。
第三四分位数(Q3)の求め方
第三四分位数は、データを昇順に並べたときに、データの四分の三の位置にある値です。具体的には、(3n+1)/4番目の値を第三四分位数とします。ただし、(3n+1)/4が整数でない場合は、(3n+1)/4番目の値と(3n+1)/4+1番目の値の平均を第三四分位数とします。
四分位範囲(IQR)の求め方
四分位範囲は、データのばらつきを把握するために用いられる指標です。第一四分位数(Q1)から第三四分位数(Q3)を引いた値が四分位範囲となります。四分位範囲が大きいほど、データのばらつきも大きいということになります。
四分位数を求める例題
以下に、具体的な例題を用いて四分位数の求め方を説明します。
例題:あるクラスのテストの点数が以下のようになっています。23, 45, 67, 78, 89, 90, 91, 92, 95, 98
このデータから、第一四分位数(Q1)、第二四分位数(Q2)、第三四分位数(Q3)、四分位範囲(IQR)を求めてみましょう。
四分位数の解答
まず、データを昇順に並べると、23, 45, 67, 78, 89, 90, 91, 92, 95, 98となります。データの個数は10個なので、n=10です。
第一四分位数(Q1)は、(n+1)/4番目の値なので、(10+1)/4=2.75番目の値です。整数でないため、2番目の値と3番目の値の平均を求めます。したがって、Q1=(45+67)/2=56
同様に、第二四分位数(Q2)は、(n+1)/2番目の値なので、(10+1)/2=5.5番目の値です。整数でないため、5番目の値と6番目の値の平均を求めます。したがって、Q2=(89+90)/2=89.5
第三四分位数(Q3)は、(3n+1)/4番目の値なので、(3*10+1)/4=7.75番目の値です。整数でないため、7番目の値と8番目の値の平均を求めます。したがって、Q3=(91+92)/2=91.5
四分位範囲(IQR)は、Q3-Q1なので、IQR=91.5-56=35.5
以上のようにして、与えられたデータから四分位数と四分位範囲を求めることができます。四分位数を求めることによって、データのばらつきや外れ値を把握し、適切な統計分析を行うことができます。
四分位数は、統計学やデータ分析において非常に重要な指標です。データの分布を把握するためには、四分位数を求めることが必要です。また、四分位数を用いてデータの偏りや外れ値を判定することもできます。四分位数を正しく理解し、適切に活用することで、より精度の高い分析結果を得ることができます。